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🪙 暗号資産分析ツール

📚 暗号資産・株式用語辞典

暗号資産・株式・チャート分析でよく見る166語を、やさしい言葉と例で解説します。各用語から、その指標や数字を実際のデータで確かめられるツールへ移動できます。

🪙 暗号資産の基本 21

ブロックチェーン

Blockchain

取引記録を多数のコンピューターで共有する、改ざんしにくい共同台帳。

取引をまとめた「ブロック」を時系列に鎖のようにつなぎ、同じ台帳をネットワーク上の多くのコンピューター(ノード)が持ち合います。前のブロックの内容が次のブロックに暗号的に組み込まれているため、過去の記録を一つ書き換えるにはその後をすべて作り直す必要があります。ビットコインではおよそ10分ごとに新しいブロックが加わります。

ビットコイン

Bitcoin, BTC

2009年に始まった最初の暗号資産。発行上限は2,100万枚。

サトシ・ナカモトの名で公開された設計に基づき、中央の管理者なしで動くデジタル通貨です。新しいコインは採掘(マイニング)報酬としてのみ生まれ、その報酬は約4年ごとに半分になるため、総量は2,100万枚を超えません。暗号資産市場全体の時価総額で最大の比率を占め、市場の基準として扱われます。

アルトコイン

Altcoin

ビットコイン以外の暗号資産の総称。

「代替(オルタナティブ)コイン」に由来し、イーサリアム、XRP、ソラナなどがすべて含まれます。多くはビットコインより時価総額が小さく、同じニュースでも値動きが大きくなりがちです。ビットコインのドミナンスが下がる時期は俗に「アルトシーズン」と呼ばれます。

ステーブルコイン

Stablecoin

米ドルなどの法定通貨と1対1の価値を保つよう設計されたコイン。

USDT(テザー)とUSDCが代表例で、発行体がドルや国債などの準備資産を持ち、1コイン=1ドルを保つ方式が一般的です。売却後の一時的な待避先や、海外取引所の基準通貨(例:BTC/USDT)として使われます。準備資産の質や透明性が疑われ、1ドルから外れる(デペッグ)事例も実際に起きています。

時価総額

Market capitalization

現在価格×流通数量。その資産全体の市場価値。

株式なら株価×発行済株式数、コインなら価格×流通量で計算します。1ドルのコインが10億枚あるのと、100ドルのコインが1,000万枚あるのとでは、時価総額は同じ10億ドルです。1枚の値段が安いだけで割安とは言えず、規模は時価総額で比べます。

流通供給量

Circulating supply

いま市場で実際に取引できるコインの数。

発行済みの総量から、チームや財団の保有分、ロックされた分を除いた部分です。時価総額は通常この流通量で計算するため、今後流通量が増える予定なら価格が同じでも時価総額は大きくなります。総供給量・最大供給量と並べると、これから出てくる量の見当がつきます。

完全希薄化後評価額

Fully diluted valuation, FDV

最大供給量がすべて流通したと仮定した時価総額。現在価格×最大供給量。

流通量が10%で時価総額が1億ドルなら、同じ価格でのFDVは10億ドルです。時価総額とFDVの差が大きいほど、これから市場に出てくる量が多いことを意味します。新規上場のコインほどこの差が大きい傾向があります。

半減期

Halving

ビットコインの採掘報酬が半分になる時点。21万ブロックごと、約4年周期。

2009年のブロックあたり50 BTCから25、12.5、6.25と減り、2024年4月の半減期以降は3.125 BTCです。新たに市場に出る量が減る出来事なので価格の周期と結び付けて語られますが、過去数回の例だけで次を断定することはできません。半減期からの経過日数で過去の周期を比べる分析がよく使われます。

秘密鍵・シードフレーズ

Private key, seed phrase

ウォレットのコインを動かせる唯一の秘密情報。失うと取り戻せない。

コインはブロックチェーン上にあり、ウォレットはそれを動かす秘密鍵を保管する道具です。シードフレーズ(通常12語または24語の英単語)は秘密鍵を復元する鍵なので、他人に知られるとコインを持ち出されます。取引所に預けたコインは取引所が鍵を管理するため、「自分の鍵でなければ自分のコインではない」と言われます。

コールドウォレット・ホットウォレット

Cold wallet / hot wallet

ネットから切り離したウォレット(コールド)と接続したウォレット(ホット)。

ホットウォレットはアプリやブラウザ拡張のように常時オンラインで便利ですが、ハッキングにさらされやすくなります。コールドウォレットは専用機器や紙で鍵をオフラインに置くため安全な反面、使うのに手間がかかります。取引所も顧客資産の大半をコールドで保管し、出金用に一部だけホットに置きます。

ガス代・ネットワーク手数料

Gas fee, network fee

ブロックチェーンに取引を記録してもらう対価の手数料。

イーサリアムでは「ガス代」と呼ばれ、ネットワークが混むほど高くなります。同じコインでも送るネットワーク(チェーン)によって手数料が大きく違い、受け取り側と異なるネットワークで送るとコインを失うことがあります。取引所の出金手数料にはこの費用が含まれています。

DeFi(分散型金融)

DeFi, decentralized finance

銀行や取引所の代わりにスマートコントラクト(プログラム)が動かす金融サービス。

預け入れ・貸し借り・交換をブロックチェーン上のコードが自動で処理します。ウォレットがあれば誰でも使えますが、コードの欠陥やハッキングで預け金を失った例が多く、預金保護もありません。預けられた資産の総額(TVL)が規模の指標としてよく使われます。

ステーキング

Staking

コインをネットワークの運営に預けて報酬を受け取ること。

イーサリアムのようなプルーフ・オブ・ステーク(PoS)方式のチェーンでは、コインをロックした参加者が取引を検証し、その対価として報酬を受け取ります。報酬率は年数%程度で示されますが、コイン価格が下がれば円建てでは損失になり得ます。ロック中や解除の待機期間中は売却できないことが多いです。

エアドロップ

Airdrop

プロジェクトが条件を満たしたウォレットにコインを無料で配ること。

新しいコインの宣伝や初期ユーザーへの還元のために配られます。受け取った人の多くがすぐ売るため、上場直後に価格が大きく揺れることがあります。「受け取るにはウォレットを接続して」という偽サイトは典型的なフィッシングの手口です。

ロック解除

Token unlock, vesting

ロックされていたチーム・投資家の保有分が予定どおり放出されること。

新しいコインは初期投資家やチームの保有分を一定期間売れないようにし(ロックアップ)、その後段階的に解放します(ベスティング)。解除の予定は事前に公開されることが多く、流通量が一度に増える日の前後に価格が影響を受けることがあります。実際に売るかどうかは保有者次第なので、解除が即下落を意味するわけではありません。

ビットコイン・ドミナンス

Bitcoin dominance

暗号資産全体の時価総額に占めるビットコインの割合。

ビットコインの時価総額÷暗号資産全体の時価総額×100で計算します。上がればお金がビットコインに集まっていること、下がればアルトコインの比重が増えていることを示します。ステーブルコインも全体に含まれるため、市場が不安でステーブルコインの比率が増えてもドミナンスは動きます。

キムチプレミアム

Kimchi premium

韓国の取引所のコイン価格が海外より高い度合い(韓国特有の用語)。

韓国ウォン建て価格÷(海外のドル建て価格×ドル・ウォン相場)−1で計算します。海外で1 BTC=10万ドル、相場が1,400ウォンなら換算価格は1億4,000万ウォンで、韓国の価格が1億4,700万ウォンならプレミアムは約5%です。海外送金の規制で裁定取引が難しいために生じ、逆に韓国の方が安い場合は「逆プレミアム」と呼びます。

テザープレミアム

Tether premium

韓国の取引所でのUSDTのウォン価格が実際のドル・ウォン相場より高い度合い(韓国特有)。

USDTは1ドルに連動するので、理論上ウォン価格は為替相場と同じはずです。韓国のUSDT価格÷ドル・ウォン相場−1で計算し、海外へ資金を移したい需要が強いとプラスになります。個々のコインのキムチプレミアムのうち「為替・送金事情」の分を切り分けて見るのに使われます。

クジラ

Whale

市場を動かすほどの大きな金額を売買する個人や機関。

一度に数十万〜数百万ドル規模で板を大きく食う約定は、俗にクジラの約定と呼ばれます。取引所の約定データやオンチェーンの大口移動でその痕跡は見えますが、同じ金額でも目的(ヘッジ・移動・売却)はデータだけでは分かりません。一つの大口約定に意味を持たせすぎないのが無難です。

オンチェーンデータ

On-chain data

ブロックチェーンに公開記録された取引・アドレス情報を分析したデータ。

ウォレット間の移動、取引所アドレスへの入出金量、長く動かなかったコインの動きなどを数えます。誰でも見られる記録ですが、どのアドレスが誰のものかは推定にすぎず、解釈の誤差は大きくなります。取引所内の売買はブロックチェーンに残らないので、オンチェーンデータには現れません。

ラグプル

Rug pull

開発チームが資金を持ち逃げしたり、保有分を一気に売り払ったりする詐欺。

「敷物を引き抜く」という意味で、流動性を抜き取るか、隠していた大量の保有分を売って価格をほぼゼロにします。匿名のチーム、供給の大半を少数のアドレスが握っている、利益保証をうたう、といった点は危険信号とされます。大手取引所に上場していない新しいトークンで特に多く見られます。

🏦 取引所・注文 20

現物取引

Spot trading

コインや株を実際に売買して保有する取引。

10万円分買えばその分のコインが口座に入り、価格が半分になっても5万円分のコインは残ります。借りたお金がないので強制ロスカットもありません。先物のように値動きだけに賭ける取引と区別するときに使う言葉です。

板(オーダーブック)

Order book

価格ごとに並んだ買い注文・売り注文の一覧。

上側に売りたい注文(売り気配)、下側に買いたい注文(買い気配)が価格ごとの数量とともに並びます。両者が出合う価格で取引が成立します。大きな注文が積まれた「板の壁」はいつでも取り消せるので、実際の売買意思とは限りません。

買い気配・売り気配

Bid / ask

買い手が提示する最高値(ビッド)と売り手が提示する最安値(アスク)。

今すぐ買うなら最も安い売り気配で、今すぐ売るなら最も高い買い気配で約定します。買い気配9,990円・売り気配10,010円なら、「現在値」は直近の約定価格にすぎず、実際に売買できる価格とは違うことがあります。二つの価格の差をスプレッドと呼びます。

スプレッド

Spread

売り気配と買い気配の差。すぐに売買するときの隠れたコスト。

買い気配9,990円・売り気配10,010円ならスプレッドは20円(約0.2%)です。成行で買ってすぐ成行で売ると、価格が変わらなくてもこの分だけ損をします。取引の多い銘柄はスプレッドが狭く、取引の少ない銘柄や急変時には広がります。

成行注文

Market order

価格を指定せず、いまある気配ですぐに約定させる注文。

確実に素早く約定する代わりに、いくらで約定するかは板の状況次第です。注文数量が最良気配の数量より多いと、次の気配まで順に約定して平均約定価格が不利になります(スリッページ)。多くの取引所でテイカー手数料がかかります。

指値注文

Limit order

希望価格を決め、その価格以下(買い)・以上(売り)でのみ約定する注文。

1 BTCを9万ドルで買うと出しておけば、価格がそこまで下がったときだけ約定します。価格は守れますが、最後まで約定しないこともあります。板に並んで流動性を加えるため、通常はメイカー手数料(低めのことが多い)が適用されます。

逆指値注文・ストップリミット

Stop order, stop-limit

価格が決めた水準(ストップ価格)に達したら注文を出すよう予約しておく注文。

ストップ価格に達すると成行で出るのがストップマーケット、指値で出るのがストップリミットです。9万ドルで買ったコインに8万5千ドルの逆指値を置くように、損切りによく使われます。急落時、ストップリミットは指値を飛び越えて約定しないことがあり、ストップマーケットは約定するもののさらに不利な価格になることがあります。

OCO注文

OCO (one-cancels-the-other)

二つの注文を同時に出し、片方が約定すると他方が自動で取り消される注文。

利益確定の指値売りと損切りの逆指値売りを同時に置くのによく使います。100で買ったコインに110の利確と95の損切りをOCOで置けば、先に届いた方だけが約定します。対応の有無や仕組みは取引所ごとに異なります。

メイカー・テイカー

Maker / taker

板に注文を置く側(メイカー)と、置かれた注文を取る側(テイカー)。

指値注文がすぐに約定せず板に残ればメイカー、成行のように既存の注文と即座に約定すればテイカーです。メイカーは流動性を供給するため、手数料が同じか低く設定されることが多いです。正確な料率は取引所や会員ランクによって異なります。

取引手数料

Trading fee

注文が約定するたびに取引所・証券会社が差し引く費用。

通常は取引額の一定割合で、買いと売りのそれぞれにかかります。0.05%でも一日に何十回も売買すれば積み重なり、利益の大きな部分を占めます。先物ではレバレッジをかけたポジション全体に手数料がかかるため、証拠金に対してはずっと大きくなります。

スリッページ

Slippage

注文を出した瞬間の価格と実際の平均約定価格との差。

1万円で買おうと成行注文を出したのに板が薄く、平均10,040円で約定したらスリッページは0.4%です。取引の少ないコイン、大きな注文、急変の瞬間に大きくなります。バックテストの結果が実際より良く見えるよくある理由の一つです。

板の厚み・流動性

Market depth, liquidity

現在値の近くにどれだけ厚く注文が積まれているか。

現在値±1%以内に買い・売りの注文が多ければ、大きな注文が入っても価格はあまり揺れません。薄いと小さな注文でも価格が大きく跳ね、スリッページも大きくなります。同じコインでも取引所や時間帯によって厚みが違います。

テイカー買い比率・約定強度

Taker buy/sell ratio, trade strength

成行で買われた量と成行で売られた量の比率。

テイカー買い÷テイカー売りが1を超えれば、積極的に買い上がった側が多かったことを示します。韓国の取引アプリの「約定強度」は通常、買い約定量÷売り約定量×100で、100が基準です。短時間の偏りを示すだけで、次の方向を保証するものではありません。

出来高

Volume

一定時間に売買された数量。

チャートの下に棒で表示され、価格が動いたときに出来高も伴ったかを見ます。大きな出来高を伴うブレイクは多くの参加者がその価格を受け入れたと解釈され、出来高なしの上昇は勢いが弱いと見られることが多いです。平常時の何倍かで比べるのが一般的です。

売買代金

Trading value, turnover

取引された金額。出来高×価格。

10円のコインが1億枚と1万円のコインが10万枚では、出来高は1,000倍違いますが売買代金はどちらも10億円です。単価の違う銘柄同士で活発さを比べるときは、出来高より売買代金が適しています。市場のランキングも通常は24時間売買代金で並べます。

ウォン市場

KRW market

韓国ウォンでコインを売買する韓国の取引所の市場(韓国特有)。

韓国では実名確認済みの銀行口座と連携した取引所だけがウォン市場を開けます。同じコインでもウォン市場・BTC市場・USDT市場で価格や出来高が異なり、ウォン価格にはキムチプレミアムが含まれます。ドル建ての海外チャートと韓国のチャートを比べるときはこの差を考慮する必要があります。

入出金停止

Deposit/withdrawal suspension

取引所が特定のコインの入金・出金を一時的に止めること。

ウォレットの点検、ネットワークのアップグレード、ハッキング対応などで起こります。出金が止まると他の取引所へ移して価格差を埋められないため、その取引所だけ価格が大きく離れることがあります。キムチプレミアムが異常に大きいコインは、まず入出金の状態を確認するのが賢明です。

上場廃止・取扱終了

Delisting

取引所がその銘柄の取引を終えること。

株式では上場廃止、暗号資産取引所では「取扱終了」などと呼ばれます。通常は注意銘柄の指定などの予告期間を経て取引が止まり、コインは期限内に他のウォレットへ出金する必要があります。発表直後に価格が大きく下がることが多いです。

中央集権型・分散型取引所

CEX / DEX

企業が運営する取引所(CEX)と、スマートコントラクトで動く取引所(DEX)。

Binance や Upbit のようなCEXは会員の資産を預かり、板で売買を成立させます。DEXは自分のウォレットを直接つないでコードで交換するため資産を預けませんが、送金ミスや偽トークンの購入を取り消す方法はほぼありません。CEXには破綻・ハッキングのリスク、DEXにはコード・運用のリスクがあります。

KYC・本人確認

KYC (know your customer)

取引所が利用者の身元を確認する手続き。

マネーロンダリング対策の規制を守るため、身分証・顔写真・連絡先などを提出します。完了しないと入出金や取引の上限が制限されます。取引所を名乗って身分証の写真を求める連絡は、公式アプリやサイトの中だけで確認するのが安全です。

⚡ 先物・デリバティブ 19

先物

Futures

資産そのものを受け渡しせず、値動きだけを売買する契約。

決まった日に決まった価格で取引する約束から始まったもので、暗号資産市場では満期のない無期限先物がほとんどです。上昇に賭けるロングも下落に賭けるショートもでき、証拠金だけでそれより大きなポジションを持てます。その代わり逆に動けば証拠金を失い、強制ロスカットされることがあります。

無期限先物

Perpetual futures, perp

満期のない先物。資金調達率で現物価格との差を縮める。

通常の先物は満期日に現物価格へ収束しますが、無期限先物は満期がないため、代わりに資金調達(ファンディング)という定期精算で価格を現物に寄せます。先物が現物より高ければロングがショートに、安ければショートがロングに支払います。Binance のUSDT無期限先物(BTCUSDTなど)が暗号資産デリバティブ取引の大半を占めます。

ロング

Long

価格の上昇に賭けるポジション。

現物を買うこともロングで、先物で買いから入るのもロングです。9万ドルでロングし9万9千ドルで決済すれば、レバレッジ1倍で10%の利益です。レバレッジをかけたロングは、一定以上下がるとロスカットされます。

ショート

Short

価格の下落に賭けるポジション。

先物で売りから入り、後で安く買い戻して差益を得ます。10万ドルでショートし9万ドルで決済すれば1倍で10%の利益です。価格は理論上いくらでも上がり得るため、ショートの損失は元本に対して上限がなく、レバレッジをかけるとすぐにロスカットされます。

レバレッジ

Leverage

証拠金の何倍ものポジションを持つこと。利益も損失も同じ倍率で膨らむ。

10万円の証拠金で10倍にすると100万円のポジションになります。価格が1%動けば証拠金に対する損益は10%で、逆に約10%動けば証拠金がなくなります(実際は維持証拠金のためそれより前にロスカット)。手数料も100万円を基準にかかります。

証拠金

Margin, collateral

レバレッジのポジションを維持するために預ける担保金。

ポジション金額÷レバレッジが最初に必要な証拠金(当初証拠金)です。100万円のポジションを10倍で持てば10万円が拘束されます。損失は証拠金から差し引かれ、残りが維持証拠金を下回るとロスカットされます。

維持証拠金

Maintenance margin

ポジションを維持するのに必要な最低限の証拠金。これを下回るとロスカット。

ポジション金額の一定割合(例:0.4%〜数%)で決まり、ポジションが大きいほど割合が上がる段階制の取引所が多いです。そのため10倍ロングでもちょうど10%下がる前、おおよそ9%台でロスカットされます。正確な割合は取引所・銘柄・ポジションの大きさで異なります。

分離・クロスマージン

Isolated / cross margin

ポジションごとに証拠金を分ける方式(分離)と、口座残高全体を共用する方式(クロス)。

分離ではそのポジションに入れた証拠金だけを失って終わるので、損失の上限がはっきりします。クロスでは口座の残高全体が証拠金になりロスカットは遅れますが、一つのポジションが大きく逆行すると残高すべてを失うことがあります。同じレバレッジでもロスカット価格が変わります。

ロスカット(強制清算)

Liquidation

証拠金が尽き、取引所がポジションを強制的に決済すること。

損失で証拠金が維持証拠金を下回ると、取引所がポジションを市場に出して閉じます。多くのポジションが近い価格に集まっていると、清算注文がさらに価格を押して連鎖的な清算が起こることがあります。取引所が公開する清算データは、実際の強制決済注文の記録です。

ロスカット価格

Liquidation price

価格がここに達するとポジションが強制決済される価格。

分離マージンのロングはおおよそ 建値×(1−1/レバレッジ+維持証拠金率)、ショートは 建値×(1+1/レバレッジ−維持証拠金率)です。10万ドルで10倍ロング、維持証拠金率0.5%なら約90,500ドルです。手数料や取引所ごとの計算方式により、実際の値は少し異なります。

資金調達率(ファンディングレート)

Funding rate

無期限先物でロングとショートが定期的にやり取りする精算金の率。

通常は8時間ごと(銘柄により4時間・1時間)に精算され、ポジション金額×資金調達率を支払います。+0.01%ならロングがショートに、マイナスならショートがロングに支払います。大きくプラスならロングに偏っていることを示しますが、その偏りがいつ解消されるかは教えてくれません。

未決済建玉

Open interest, OI

まだ決済されずに残っている先物契約の総量。

新規のロングと新規のショートが出合うと増え、既存のポジションが決済されると減ります。価格と建玉がともに増えれば新しい資金が入って上昇、価格が上がるのに建玉が減ればショートの買い戻しで上昇、と解釈されることが多いです。ロングとショートの数は常に同じなので、建玉だけではどちらが多いか分かりません。

ロング・ショート比率

Long/short ratio

ロングを持つアカウント(または金額)とショート側の比率。

Binance は全アカウント基準と上位トレーダー基準の比率を別々に公開しています。アカウント数で数えるため、小口が多ければ比率が偏っても金額では均衡していることがあります。極端な偏りを見る参考指標であり、これだけで方向を判断するものではありません。

マーク価格

Mark price

ロスカットや含み損益の計算に使う基準価格。最終約定価格と異なることがある。

一つの取引所で瞬間的に価格が跳ねて不当なロスカットが起きないよう、複数の現物取引所の価格(インデックス価格)と資金調達の情報を組み合わせて作ります。そのため最終約定価格が一瞬ロスカット価格に触れても、マーク価格が届かなければ清算されません。ロスカットの判定はマーク価格で行われます。

ベーシス

Basis, premium

先物価格と現物価格の差。

先物−現物で計算し、先物が高ければプラス(コンタンゴ)、安ければマイナス(バックワーデーション)です。期日のある先物は残り期間の金利や需要を反映して通常プラスで、満期が近づくとゼロに収束します。無期限先物ではこの差が資金調達率を決める中心的な材料です。

ショートスクイーズ

Short squeeze

価格上昇でショートが損切り・ロスカットされ、その買い戻しがさらに価格を押し上げる現象。

ショートを閉じるには買う必要があるため、ショートが積み上がった状態で価格が上がり始めると買いが買いを呼びます。資金調達率が深いマイナスで建玉が多いときに起きやすい条件とされます。短時間で急騰した後に戻ることも多いです。

ロングスクイーズ

Long squeeze

価格下落でロングがロスカットされ、その売りがさらに価格を押し下げる現象。

レバレッジのロングが積み上がった状態で下落が始まると、清算の売りが連鎖的に出ます。資金調達率が高いプラスで建玉が大きく膨らんだ時期の後によく話題になります。数分で長い下ヒゲができる急落が典型的な姿です。

ヘッジ

Hedge

保有資産の値下がりリスクを反対のポジションで減らすこと。

現物1 BTCを持つ人が同じ大きさのショートを持てば、価格が下がっても現物の損失とショートの利益が相殺されます。代わりに上昇時の利益も消え、資金調達や手数料がかかります。利益を増やす手法ではなく、変動を抑える手法です。

オプション(コール・プット)

Options (call / put)

決まった価格で買う(コール)・売る(プット)権利を売買する契約。

コールを買った人は満期に価格が権利行使価格より高ければ利益になり、そうでなければ支払ったプレミアムだけを失います。売った側はプレミアムを受け取る代わりに大きな損失を負うことがあります。オプション価格に織り込まれた将来の変動予想をインプライド・ボラティリティと呼び、VIXがその例です。

🕯️ チャート・ローソク足 20

ローソク足

Candlestick

一定期間の始値・高値・安値・終値を一本の棒で描いたもの。

実体は始値と終値の間、上下に伸びる線(ヒゲ)はその期間の高値と安値です。終値が始値より高ければ陽線、低ければ陰線です。日足一本は一日、1時間足一本は1時間の動きを要約します。

四本値(OHLC)

OHLC

始値・高値・安値・終値の四つの価格。

ローソク足一本を作るデータであり、ほとんどの指標計算の原材料です。株式には取引開始・終了時刻がありますが、暗号資産は24時間取引されるため、日足の始値・終値は取引所が決めた基準時刻(Binance はUTC 0時、日本時間午前9時)で区切ります。そのため同じコインでも取引所によって日足の形が少し違うことがあります。

時間足(タイムフレーム)

Timeframe

ローソク足一本が表す時間の長さ。1分足・1時間足・日足・週足など。

同じ時点でも5分足では下降トレンド、日足では上昇トレンドということがあります。短い足ほどシグナルもノイズも多く、長い足ほど遅い代わりに大きな流れを示します。複数の時間足を合わせて見ることをマルチタイムフレーム分析と言います。

陽線・陰線

Bullish / bearish candle

終値が始値より高い足(陽線)と低い足(陰線)。

陽線はその期間に価格が上がって終わり、陰線は下がって終わったことを示します。日本のチャートは陽線を白や赤、陰線を黒や青で描くことが多く、海外のチャートは上昇を緑・下落を赤で描くのが一般的です。前の足より上がったかどうかではなく、その足の始値と比べて決まります。

上昇・下落の色

Up/down colour convention

韓国は上昇が赤・下落が青、海外の多くは上昇が緑・下落が赤。

韓国・中国や日本の一部のチャートでは上昇を赤で示す慣習があり、欧米のチャートは上昇を緑、下落を赤で表します。そのため韓国の画面で赤い数字は上昇を意味し、欧米の感覚とは逆になります。このサイトのチャートツールも韓国語画面では韓国の慣習、英語・日本語画面では国際的な慣習に従います。

ヒゲ

Wick, shadow

ローソク足の実体の上下に伸びる線。その期間の高値・安値までの距離。

長い下ヒゲは一時大きく売られた後に戻して終わったこと、長い上ヒゲは上がった後に押し戻されたことを示します。ヒゲの長い足は、その価格帯で反対方向の力が強かった痕跡と読まれます。ただし一本だけで方向を決めることは難しく、どの位置で出たかが重要です。

十字線(同時線)

Doji

始値と終値がほぼ同じで、実体がとても薄い足。

その期間、買う力と売る力が拮抗していたと読まれます。長い上昇や下落の終わりに出ると流れが止まりかけている合図と見ることもありますが、横ばい中にはよく出るので大きな意味はありません。判定基準(実体が全体の何%以下か)はツールによって異なります。

たくり線(ハンマー)・流れ星

Hammer / shooting star

実体が小さく下ヒゲが長い足(ハンマー)、上ヒゲが長い足(流れ星)。

下落後のハンマーは下から買いが入った痕跡、上昇後の流れ星は上で売りが出た痕跡と読まれます。一般にヒゲが実体の2倍以上を目安にします。次の足がその方向を確認するかどうかも合わせて見ます。

包み足(抱き線)

Engulfing pattern

前の足の実体を、反対色の足の実体が完全に包む二本の足のパターン。

下落中の小さな陰線の後に、その実体をすべて覆う大きな陽線が出れば強気の包み足、逆は弱気の包み足です。売買の主導権が一本の足の間にひっくり返った絵として読まれます。その後実際にどうなったかは銘柄や時間足で異なるため、過去の成績と合わせて見るのがよいでしょう。

明けの明星・宵の明星

Morning star / evening star

大きな足→小さな足→反対方向の大きな足と続く三本の足のパターン。

下落中に大陰線、小さな足(十字線など)、最初の陰線の実体の半分以上を戻す陽線と続けば明けの明星で、底打ちを示唆する形とされます。その逆の並びが上昇の終わりに出る宵の明星です。三本すべてが確定して初めて確認できるので、その時点で価格がかなり動いていることもあります。

赤三兵・黒三兵

Three white soldiers / three black crows

陽線が三本続けて高く引ける(赤三兵)、陰線が三本続けて安く引ける(黒三兵)。

各足が前の実体の中で始まりより高く終われば赤三兵で、着実な買いを描いた形です。黒三兵はその逆です。すでに三本分大きく動いた後なので、短期的には行き過ぎの状態であることもあります。

サポート・レジスタンス

Support / resistance

価格が何度も止まって反転した下側の価格帯(支持)と上側の価格帯(抵抗)。

その価格で買いたい(支持)、売りたい(抵抗)注文が多く集まると考えられる帯です。一本の線よりも幅のある「ゾーン」として見る方が現実的で、何度も確認された水準ほど重視されます。抵抗を上抜けると、その価格帯が今度は支持に変わることがよくあります。

トレンドライン

Trendline

安値同士(上昇)または高値同士(下降)を結んだ斜めの線。

上昇トレンドでは切り上がる安値を結んだ線が支持の役割をすると見ます。最低二点が必要で、三度目に触れると意味が大きくなるとされます。どの点を結ぶかで人によって線が変わる主観的な道具であることを覚えておく必要があります。

トレンド(上昇・下降・横ばい)

Trend (uptrend / downtrend / range)

価格が一方向に続く流れ。高値・安値が切り上がれば上昇、切り下がれば下降。

高値と安値がともに切り上がれば上昇トレンド、ともに切り下がれば下降トレンド、一定の範囲を行き来すれば横ばい(レンジ)です。移動平均線の向きと並びで簡単に判断することもあります。どの時間足で見るかによって、同じ時点のトレンドが変わります。

ブレイク・ダマシ

Breakout / fakeout

価格が抵抗を上抜けたり支持を割ったりすること。すぐ戻ればダマシ。

長く抑えられていた価格帯を終値で超え、出来高も増えればブレイクと受け止められることが多いです。ヒゲだけで一瞬抜けて再び内側に戻るものはダマシ(フェイクアウト)と呼ばれ、実際かなり頻繁に起こります。そのため足の確定や戻りの確認を待つやり方が使われます。

押し目・戻り

Pullback, retest

トレンドの途中で一時的に逆行し、再び元の方向へ進む局面。

上昇トレンドで価格が少し下がり、以前の抵抗(いまは支持)や移動平均線の近くで止まるのが押し目です。抜けた価格帯を試しに戻ってくる動きはリテストと呼ばれます。押し目なのかトレンド転換の始まりなのかは、後になって初めてはっきりします。

ダブルトップ・ダブルボトム

Double top / double bottom

同じくらいの高さの高値が二回(ダブルトップ)、安値が二回(ダブルボトム)出る形。

同じ価格帯を二度超えられなければダブルトップ、二度割れなければダブルボトムです。二つの高値(安値)の間の谷(山)をネックラインと呼び、そこを抜けて初めてパターンが完成したとみなします。完成前はただの横ばいかもしれません。

ヘッドアンドショルダー(三尊)

Head and shoulders

小さな高値-大きな高値-小さな高値と続く天井型のパターン。

真ん中の高値(頭)が最も高く、両側の高値(肩)が同じくらいの形で、両肩の間の安値を結んだネックラインを割ると下落転換のパターンとされます。逆さの形(逆三尊)は底型と解釈されます。見る人によって描き方が変わることが多く、主観が大きく入ります。

窓(ギャップ)

Gap

前の足の終値と次の足の始値の間で価格が空いている部分。

株式は取引時間外にニュースが出ると、翌日の始値が大きく上や下から始まり窓が開きます。24時間取引の暗号資産の現物では窓はまれですが、週末に休むCMEのビットコイン先物のチャートにはよく窓ができます。「窓は埋まる」と言われますが、いつもそうとは限りません。

対数チャート

Log scale

縦軸を金額ではなく比率で目盛ったチャート。

通常のチャートでは100→200と10,000→10,100が同じ高さですが、対数チャートでは100→200(+100%)が10,000→20,000(+100%)と同じ高さになります。価格が何千倍にも変わったビットコインの長期チャートで、初期部分が底に張り付いて見えなくならないように使います。同じ傾きは同じ上昇率を意味します。

📐 テクニカル指標 20

移動平均線

Moving average, SMA

直近N本の終値の平均を結んだ線。

単純移動平均(SMA)は直近N本の終値を足してNで割った値で、20日線は直近20日の平均価格です。価格が線の上にあれば最近の平均より高く取引されていることを示し、線の傾きでトレンドの方向を見ます。過去の価格の平均なので、常に実際の価格より遅れて動きます。

指数平滑移動平均(EMA)

Exponential moving average, EMA

直近の価格により大きな重みを置く移動平均。

EMA=当日終値×k+前日EMA×(1−k)で、k=2÷(N+1)です。20 EMAならk≈0.095で、当日の価格が約9.5%反映されます。同じ期間の単純移動平均より価格変化に早く反応する代わりに、ノイズにも揺れやすくなります。

ゴールデンクロス

Golden cross

短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けること。

50日線が200日線を上抜けるのが海外でよく言われるゴールデンクロスで、5日線と25日線のような短い組み合わせもよく使われます。最近の価格が長期の平均より強くなったことを意味します。移動平均自体が遅れるため、クロスが出る頃にはすでにかなり上がっていることが多いです。

デッドクロス

Death cross

短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けること。

ゴールデンクロスの逆で、最近の価格が長期の平均より弱くなったことを示します。横ばい相場ではゴールデンクロスとデッドクロスが交互に頻発し、損失が繰り返されやすい傾向があります。どの移動平均の組み合わせを使うかでシグナルの時点が大きく変わります。

RSI(相対力指数)

Relative Strength Index, RSI

直近の上昇幅と下落幅を比べて0〜100で表す指標。標準期間は14。

RSI=100−100÷(1+RS)で、RSは直近14本の平均上昇幅÷平均下落幅です(考案者ワイルダーの方法では平均を指数平滑で求めます)。一般に70以上を買われすぎ、30以下を売られすぎと呼びます。強いトレンドではRSIが70の上や30の下に長くとどまることがあり、それだけで反転のシグナルとは言えません。

買われすぎ・売られすぎ

Overbought / oversold

短期間に上がりすぎた(買われすぎ)・下がりすぎた(売られすぎ)状態を指す言葉。

RSIの70以上・30以下、ストキャスティクスの80以上・20以下のように、指標ごとに慣例的な基準線があります。「大きく上がった」という事実を述べるだけで、すぐ下がるという予測ではありません。実際の成績は銘柄・時間足・相場局面で異なるので、過去データで確かめるのがよいでしょう。

ダイバージェンス

Divergence

価格と指標が異なる方向を示すこと。

価格は高値を更新したのにRSIの高値は切り下がれば弱気のダイバージェンス、価格は安値を更新したのにRSIの安値は切り上がれば強気のダイバージェンスと呼びます。勢いが弱まっている痕跡と読まれますが、何度も続いた後にようやく方向が変わることもよくあります。高値・安値の選び方で判定が変わります。

MACD

12 EMAと26 EMAの差でトレンドの強さと方向を見る指標。

MACD線=12 EMA−26 EMA、シグナル線=MACD線の9 EMA、ヒストグラム=MACD線−シグナル線です。MACD線がシグナル線を上抜ければ上昇の勢いが強まった、ゼロ線より上なら短期平均が長期平均の上にある、と解釈します。移動平均がもとなので、横ばいの局面ではシグナルが多く遅れがちです。

ボリンジャーバンド

Bollinger Bands

20期間の移動平均の上下に標準偏差2倍の幅で帯を描いた指標。

中心線は20本の単純移動平均、上下のバンドは中心線±2×標準偏差です。価格が正規分布ならほとんどがバンド内に収まりますが、実際の相場では強いトレンドのときに価格がバンドに沿って上がり続けたり下がり続けたりします(バンドウォーク)。バンドの幅は最近のボラティリティの大きさを示します。

ボリンジャー・スクイーズ

Bollinger squeeze

ボリンジャーバンドの幅が直近の期間で最も狭くなった状態。

ボラティリティが縮み、価格が狭い範囲に閉じ込められていることを示します。ボラティリティは縮小と拡大を繰り返す性質があるため、スクイーズの後に大きな動きが出やすいと言われますが、上か下かは教えてくれません。バンド幅=(上限−下限)÷中心線で比べます。

ストキャスティクス

Stochastic oscillator

直近N本の値幅の中で現在の終値がどのあたりかを0〜100で表す指標。

%K=(終値−N期間の最安値)÷(N期間の最高値−N期間の最安値)×100、%Dは%Kの3期間移動平均で、Nは通常14です。80以上は値幅の上の方、20以下は下の方で引けていることを示します。RSIより速く動き、シグナルが多く出ます。

ストキャスティクスRSI

Stochastic RSI

RSIの値にストキャスティクスの式をもう一度当てはめた指標。

直近14個のRSIの中で現在のRSIが範囲のどこにあるかを0〜1(または0〜100)で示し、通常は3・3でさらに平滑化します。RSIよりはるかに敏感で、0と100の近くを頻繁に行き来します。短い流れの変化を早く示す代わりに、誤ったシグナルも多くなります。

ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)

Average True Range, ATR

一本の足が平均してどれだけ動くかを示すボラティリティ指標。

真の値幅(TR)は 高値−安値、|高値−前日終値|、|安値−前日終値| のうち最大の値で、ATRはその14本の平均(ワイルダー平滑)です。ビットコインの日足ATRが3,000ドルなら、一日におおよそそれだけ上下するという意味です。方向は示さず、損切り幅を「ATRの何倍」と決めるのによく使われます。

一目均衡表

Ichimoku cloud

五本の線と雲でトレンド・支持・抵抗を一度に見る日本発の指標。

転換線=直近9本の(最高値+最安値)÷2、基準線=26本で同じ計算、先行スパン1=(転換線+基準線)÷2を26本先に、先行スパン2=52本の(最高値+最安値)÷2を26本先に描き、遅行スパンは終値を26本前に描きます。二本の先行スパンの間が雲で、価格が雲の上なら強気、下なら弱気と読みます。価格・転換線・遅行スパンの三条件がそろって強気に転じることを三役好転と呼びます。

スーパートレンド

Supertrend

ATRで作った一本の線でトレンドの方向を示す指標。

基本線は(高値+安値)÷2±倍率×ATRで、ATR 10・倍率3がよく使われます。上昇トレンドでは価格の下に、下降トレンドでは上に線が引かれ、終値が線を反対側に越えると方向が切り替わります。トレンドが長く続くときはよく合いますが、横ばい相場では切り替わりが頻繁です。

フィボナッチ・リトレースメント

Fibonacci retracement

直前の上昇(下落)幅の23.6%・38.2%・50%・61.8%・78.6%の位置に線を引く道具。

1万円から2万円まで上がった後なら、38.2%押しは16,180円、61.8%押しは13,820円です。多くの人が同じ線を見るのでその近くに注文が集まると説明されますが、どの高値・安値を基準にするかで線が変わります。50%はフィボナッチ数列から来た値ではありませんが、慣例として一緒に使われます。

価格帯別出来高(ボリュームプロファイル)

Volume profile, POC

価格帯ごとにどれだけ出来高が積み上がったかを横向きの棒で示すもの。

最も多く取引された価格をPOC、出来高全体の70%が集まった範囲をバリューエリア(上端VAH・下端VAL)と呼びます。出来高の多い価格帯は支持・抵抗になりやすく、ほとんど取引のなかった空白の帯は価格が素早く通過しやすいと見られます。計算の対象期間によって形が変わります。

VWAP(出来高加重平均価格)

VWAP (volume-weighted average price)

出来高で重み付けした平均価格。Σ(価格×出来高)÷Σ出来高。

価格には通常、代表値(高値+安値+終値)÷3を使い、一日ごとに最初から計算し直すのが一般的です。その日に取引した人たちの平均取得単価に近い値なので、機関投資家が注文執行を評価する基準にも使われます。価格がVWAPより上なら、その日の平均より高く取引されていることを示します。

OBV(オンバランス・ボリューム)

On-balance volume, OBV

上がった日の出来高を足し、下がった日の出来高を引いて累積した線。

終値が前日より上がればその日の出来高を足し、下がれば引き、同じなら何もしません。絶対値より方向が重要で、価格は横ばいなのにOBVが上がれば買い側の取引が積み上がっていると解釈します。一日の大きな出来高が線全体を大きく動かすことがあります。

ピボットポイント

Pivot points

前日(前週・前月)の高値・安値・終値から計算した当日の基準価格と支持・抵抗線。

クラシック方式ではピボットP=(高値+安値+終値)÷3、第1抵抗R1=2P−安値、第1支持S1=2P−高値です。計算が単純で誰でも同じ値になるため、短期売買の参考線としてよく使われます。フィボナッチやカマリラなど計算法がいくつもあり、値はそれぞれ異なります。

🏢 株式・企業価値 23

EPS(1株当たり利益)

Earnings per share, EPS

会社の純利益を発行済株式数で割った値。1株が1年で稼いだお金。

純利益100億円、株式数1億株の会社のEPSは100円です。PERを計算するときの分母で、EPSが着実に増えているかが企業成長の中心的な指標になります。資産売却のような一時的な利益が混ざると、EPSが一時的に膨らむことがあります。

PER(株価収益率)

Price-to-earnings ratio, PER (P/E)

株価÷1株当たり利益。いまの株価が1年の利益の何倍か。

株価2,000円、EPS 200円ならPERは10倍で、いまの利益が続けば株価分を稼ぐのに10年かかるという意味です。同じ業種の中で比べてこそ意味があり、成長の速い業種はPERが高くなりやすい傾向があります。赤字ならPERは計算できず、利益が一時的に減るとPERが急に高く見えます。

BPS(1株当たり純資産)

Book value per share, BPS

会社の純資産(資産−負債)を発行済株式数で割った値。

純資産1,000億円、株式数1億株ならBPSは1,000円です。会社を帳簿価格どおりに清算したときに1株に戻る取り分という考え方ですが、実際の清算価値とは異なることがあります。PBRの計算の分母に使います。

PBR(株価純資産倍率)

Price-to-book ratio, PBR (P/B)

株価÷1株当たり純資産。株価が帳簿上の純資産の何倍か。

PBRが1倍未満なら時価総額が帳簿上の純資産より小さいことを示します。銀行や製造業のように資産の大きい業種でよく見られ、ソフトウェアのように帳簿に載らない価値が大きい業種では意味が薄くなります。PBR=PER×ROEの関係が成り立ちます。

ROE(自己資本利益率)

Return on equity, ROE

純利益÷自己資本。株主が預けたお金で1年に何%稼いだか。

自己資本1,000億円で純利益150億円ならROEは15%です。高いほど資本を効率よく使っていることを示しますが、借金を多くして自己資本が小さくてもROEは高くなるため、負債比率と合わせて見ます。一年の数字より、複数年にわたって安定しているかが重要です。

PSR(株価売上高倍率)

Price-to-sales ratio, PSR

時価総額÷年間売上高。

まだ利益が出ずPERが使えない成長企業を比べるときによく使います。売上100億円の会社の時価総額が500億円ならPSRは5倍です。売上が大きくても利益率が低ければ株主の取り分は小さいので、業種の利益率も合わせて見る必要があります。

EV/EBITDA

企業価値(EV)÷利払い・税引き・減価償却前の利益。

EV=時価総額+純有利子負債(借入金−現金)で、会社を丸ごと買うのにかかる値段に近いものです。EBITDAは本業で稼ぐ現金創出力をおおまかに示す利益です。負債の規模や減価償却の方法が違う会社同士を比べるとき、PERより公平だという理由で使われます。

PEG

PEG ratio

PER÷年間EPS成長率(%)。成長の速さを考慮したPER。

PER 20倍でEPSが毎年20%伸びるならPEGは1です。同じPERでも利益の伸びが速いほどPEGは低くなります。将来の成長率は推定値で外れることがある、という点が最大の弱点です。

配当

Dividend

会社が利益の一部を株主に現金(または株式)で分配すること。

1株当たり配当金(DPS)で示し、韓国企業は年1回の期末配当が多く、四半期配当も増えています。米国企業は四半期配当が一般的です。韓国で受け取る配当には配当所得税(一般15.4%)が源泉徴収され、税引き後の金額は配当金計算機で確認できます。

配当利回り

Dividend yield

1株当たり配当金÷株価。いま買うと配当で年に何%受け取れるか。

株価5,000円、年間配当250円なら配当利回りは5%です。株価が下がると配当利回りは自動的に上がるため、業績悪化で株価が急落して高く見えるケースに注意が必要です。過去の配当が基準なので、次の配当が減れば実際の利回りは下がります。

配当性向

Payout ratio

純利益のうち配当として分配した割合。配当総額÷純利益。

純利益100億円のうち30億円を配当すれば配当性向は30%です。高すぎる(100%以上など)と稼ぐ以上に配っている状態で、配当を続けにくくなることがあります。成長企業は利益を再投資するため配当性向が低いことが多いです。

配当基準日・権利落ち日

Ex-dividend date, record date

配当を受け取る株主を決める日(基準日)と、その権利がなくなる日(権利落ち日)。

韓国株は決済が約定から2営業日後(T+2)なので、基準日の2営業日前までに買えば株主名簿に載り、その翌日が権利落ち日です。権利落ち日には理論上、配当金の分だけ株価が下がって始まります。最近の韓国では配当額を先に決めてから基準日を定める会社が増えており、会社ごとに日付を確認する必要があります。

IPO(新規株式公開)

IPO (initial public offering)

会社が初めて株式を一般に売り出し、取引所に上場すること。

公募価格は需要の調査(ブックビルディング)を経て決まり、個人投資家は申し込みを通じて配分を受けます。上場初日は公募価格からの変動が大きく、大きく上がることも公募価格を割ることもあります。既存株主や機関のロックアップが解ける時期に売り物が増える点も合わせて見ます。

ロックアップ

Lock-up (mandatory holding period)

上場後の一定期間、大株主や機関が株を売れないようにする取り決め。

上場直後の大量売却で株価が急落するのを防ぐための仕組みです。期間は投資家の種類や約定により1か月〜数年と異なり、解除日の前後には売り物への関心が高まります。暗号資産のロック解除と同じ構造です。

ETF(上場投資信託)

ETF (exchange-traded fund)

指数や資産の組み合わせに連動するよう作られたファンドを、株のように取引所で売買する商品。

S&P 500 のETFを1口買えば、指数を構成する銘柄を比率どおりに分けて持つ効果があります。一般の投資信託より信託報酬が低めで、取引時間中いつでも売買できます。レバレッジ型・インバース型は日々の騰落率の倍数に連動するため、長く持つと指数の騰落率の倍数とずれることがあります。

株価指数

Stock index

多くの銘柄の価格を一つにまとめ、市場全体の流れを示す数字。

KOSPI は韓国の有価証券市場全体、S&P 500 は米国の大型株500社を時価総額加重でまとめた指数です。ダウ平均のように株価加重の方式もあり、同じ「指数」でも計算法によって動きが違います。指数は基準時点を100や1,000などと決め、それとの比で表します。

空売り

Short selling

株を借りて先に売り、後で買い戻して返す取引。株価下落に賭ける方法。

1万円で借りて売った株を8千円で買い戻して返せば、借りる費用を除き2千円の利益です。株価が上がれば損失が膨らみ、理論上上限はありません。韓国では空売りの可否や規則が時期によって変わってきたため、現在の制度は取引所や金融当局の告知で確認する必要があります。

値幅制限(韓国)

Daily price limit (Korea)

1日に上がり下がりできる最大幅。韓国株は前日終値比±30%(韓国の制度)。

KOSPI・KOSDAQの銘柄は、1日に前日終値から30%を超えて上下できません。上限(ストップ高)に達すると、その価格で買いたい注文だけが積み上がり、売買がほぼ止まることもあります。米国株にはこうした日々の値幅制限はなく、暗号資産市場にもありません。

受渡日(T+2)

Settlement (T+2 / T+1)

株の売買が約定した後、お金と株が実際にやり取りされる日。

韓国株は約定日から2営業日後(T+2)、米国株は2024年5月から1営業日後(T+1)に決済されます。月曜日に売った韓国株の代金は水曜日に出金できる、という具合です。配当基準日の計算や売却代金を引き出せる時期に影響します。

優先株

Preferred stock

議決権がない・制限される代わりに、配当を普通株より先に(または多く)受け取る株式。

韓国では銘柄名の後ろに印が付き、普通株より配当が少し多い代わりに株主総会での議決権がないことが多いです。売買が少なく、価格が普通株と大きく離れたり急騰落したりすることがあります。配当目的なら普通株と優先株の配当利回りを比べてみることができます。

株式分割

Stock split

1株を複数の株に分けること。会社の価値は変わらない。

1株10万円の株を1対10で分割すれば1万円の株が10株になります。時価総額や自分の持ち分比率は変わらず、1株の値段が下がって売買しやすくなるだけです。分割前のチャートは分割比率で修正して見ないと、価格が急落したように見えてしまいます。

有償増資

Rights offering, capital increase

会社が新しい株を発行し、お金を受け取って売ること。

資金調達の方法ですが、株式数が増えて既存株主の持ち分や1株当たり利益が希薄化します。新株は通常、時価より割り引いた価格で発行されるため、発表直後に株価が弱含むことがよくあります。お金を何に使うのか(設備投資か借金返済か)が解釈の要です。

自社株買い

Share buyback

会社が市場で自社の株を買い入れること。

流通株式が減り、同じ利益でも1株当たり利益が高くなります。買った株を消却すれば株式数は永久に減り、消却せず保有すれば後で再び売られる可能性もあります。配当と並んで株主に利益を還元する代表的な方法とされます。

🌐 市場・マクロ 18

強気相場・弱気相場

Bull market / bear market

長く上がり続ける相場(強気)と下がり続ける相場(弱気)。

株式では高値から20%以上下がれば弱気相場、安値から20%以上上がれば強気相場と呼ぶ慣例があります。雄牛が角を突き上げ、熊が前足を振り下ろす姿から「ブル・ベア」という言葉が生まれました。変動の大きい暗号資産市場では短い調整でも20%は珍しくなく、この基準はそのまま当てはめにくいです。

調整・暴落

Correction / crash

高値から一定以上下がる下落。株式では10%前後なら調整と呼ぶ。

上昇トレンドの中での10%程度の下落は、株式市場では年に一度以上よく起こります。短期間にずっと大きく下がれば暴落と呼ばれ、KOSPI や S&P 500 も過去に50%以上下落し、回復に何年もかかったことがあります。下落幅と回復期間を実際の記録で見ると感覚をつかむ助けになります。

政策金利

Policy interest rate

中央銀行が決める金利。市中金利全体の基準になる。

韓国では韓国銀行の金融通貨委員会、米国では連邦準備制度(FOMC)が決めます。金利が上がるとお金を借りるコストが増え預金の魅力が高まるため、株や暗号資産のようなリスク資産への需要を減らす方向に働くと説明されます。実際の市場は発表そのものより、予想との差に反応することが多いです。

FOMC(連邦公開市場委員会)

FOMC

米国の政策金利を決める連邦準備制度の会合。年8回開かれる。

会合の結果(金利決定)と声明、議長の記者会見が発表され、一部の会合では委員の金利見通しを示すドットチャートも出ます。日本時間では通常未明に発表されるため、暗号資産のように24時間開いている市場が先に反応します。日程は事前に公開されるので、発表前後に変動が大きくなることは予想できます。

インフレ・CPI

Inflation, CPI

物価が全体的に上がる現象と、それを測る消費者物価指数。

CPIは家計が買う商品・サービスの組み合わせの価格変化を指数にしたもので、前年同月比の上昇率でよく見ます。物価が年3%上がると、同じお金で買える量は毎年約3%ずつ減ります。物価が予想より高く出ると利下げ期待がしぼみ、市場が揺れることが多いです。

為替レート(ドル・ウォン)

Exchange rate (USD/KRW)

1ドルを買うのに必要なウォンの金額。

1,300ウォンから1,400ウォンになればウォンの価値が下がった(ドルが高くなった)ことになります。米国株やドル建てのコインを持つ人は、価格が同じでもレートが上がればウォン換算の評価額が増えます。キムチプレミアムの計算にもこのレートが使われます。

ドルインデックス(DXY)

US dollar index, DXY

主要6通貨に対する米ドルの価値を示す指数。

ユーロ・円・ポンド・カナダドル・スウェーデンクローナ・スイスフランに対する価値をまとめたもので、ユーロの比重が半分を超えます。指数が上がればドル高を意味します。ドル高の時期にはリスク資産が弱いことが多いと言われますが、いつもそう動くわけではありません。

国債利回り

Treasury yield

政府が発行した債券の利回り。市場がつける「無リスク」金利の基準。

債券の価格と利回りは逆に動き、債券が売られると価格が下がり利回りが上がります。米国10年国債の利回りは世界の資産価格の基準のように使われ、大きく上がると株式の相対的な魅力が下がると解釈されます。短期の利回りが長期を上回る「逆イールド」は景気後退のサインとしてよく取り上げられます。

景気後退

Recession

経済活動が一定期間はっきり縮小する状態。

実質GDPが2四半期続けて減ると景気後退とよく言われますが、米国では全米経済研究所(NBER)が雇用・所得・生産などを総合して公式に判定します。株価は景気に先行する傾向があり、景気後退が公式に確認された時点ですでに底を過ぎていることもあります。景気後退への懸念だけでもリスク資産の変動が大きくなりがちです。

リスクオン・リスクオフ

Risk-on / risk-off

投資家がリスク資産を買う雰囲気(リスクオン)と避ける雰囲気(リスクオフ)。

リスクオンでは株・暗号資産・新興国通貨がそろって上がり、リスクオフではドル・国債・金のような安全資産へお金が移る傾向があります。こうした時期には異なる資産が同じ方向に動き、分散の効果が薄れます。市場の雰囲気を要約する表現であり、厳密な指標ではありません。

VIX(恐怖指数)

VIX

S&P 500 のオプション価格から計算した今後30日の予想変動率。「恐怖指数」とも呼ばれる。

VIX 20は、市場が今後年率換算で約20%の変動を見込んでいるという意味です。普段は10〜20台にとどまり、急落局面で大きく跳ね上がる傾向があります。未来を当てる指標ではなく、いまオプション市場が織り込んでいる不安の大きさです。

恐怖・強欲指数

Fear & Greed Index

市場心理を0(極度の恐怖)〜100(極度の強欲)で表す指数。

暗号資産版はボラティリティ・出来高・ソーシャルメディア・ドミナンスなどを組み合わせて毎日発表され、株式版はCNNが別に発表しています。極度の恐怖で買い強欲で売るという逆張りの話は多いですが、極端な状態が長く続くこともよくあります。区間ごとにその後の実際の価格がどうだったか、過去の記録を確かめるのがよいでしょう。

マーケットブレッドス(市場の幅)

Market breadth

市場の中で上がる銘柄と下がる銘柄がどれだけ広く分布しているか。

値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数、移動平均線より上にある銘柄の割合、新高値・新安値の銘柄数などで測ります。指数は上がっているのに上がる銘柄が減っていれば、一部の大型銘柄だけが指数を押し上げている状態と解釈します。暗号資産市場でも、ビットコインだけでなく全体が強いかを見るのに使えます。

セクターローテーション

Sector rotation

時期によってお金が強いセクターから別のセクターへ移っていく現象。

金利や景気の局面に応じて、ハイテク株、金融株、ディフェンシブ株などの相対的な成績が入れ替わることを指します。セクター別の騰落率を一画面に並べると、いまどこにお金が集まっているかがつかめます。順番が教科書どおりに決まっているわけではないので、次を予測する道具としては使いにくいです。

サーキットブレーカー

Circuit breaker

指数が急落したとき市場全体の取引を一時止める仕組み。

韓国市場では指数が前日比8%、15%、20%以上下落した状態が1分続くと段階的に発動し、第1・第2段階は20分間取引を止め、第3段階はその日の取引を終了します。米国は S&P 500 を基準に7%、13%、20%です。恐怖による連鎖的な売りを一時的に断ち切る目的で、暗号資産取引所にはこうした仕組みはありません。

VI(ボラティリティ緩和装置・韓国)

Volatility interruption, VI (Korea)

個別銘柄の価格が急に大きく動くと、一時的に板寄せ方式に切り替える韓国の仕組み。

直前の約定価格や前日終値から決められた幅以上動くと発動し、2分間注文を集めて一つの価格で約定させる板寄せ方式に切り替わります。瞬間的な注文の偏りで価格が跳ねるのを和らげる目的です。市場全体を止めるサーキットブレーカーと違い、一銘柄だけに適用されます。

取引セッション

Trading sessions

アジア・欧州・米国の市場が順に開く時間帯。

暗号資産は24時間取引されますが、多くの人が取引する時間帯によって出来高や値幅が変わります。米国株式市場が開く時間(ニューヨーク時間午前9時30分)と重なると変動が大きくなりやすいと言われます。実際のデータで時間帯・曜日別の平均値幅を測ると、その傾向を確かめられます。

季節性(アノマリー)

Seasonality

特定の月や曜日に騰落率が繰り返し良かった・悪かった傾向。

「5月に売って立ち去れ」という格言や、ビットコインの月別騰落率表が代表例です。標本が数年分しかなければ偶然できたパターンである可能性が高く、多くの人に知られると消えることもあります。平均だけでなく、年ごとのばらつき(上がった年の割合など)も合わせて見る必要があります。

🛡️ リスク・資金管理 25

損切り

Stop-loss

損失が決めた水準に達したらポジションを閉じ、さらに大きな損失を防ぐこと。

エントリー前に「この価格を割ったら自分の判断が間違っていた」という地点を決めておくことが肝心です。100で買って95に損切りを置けば、一回の損失は5%に限定されます。損切り幅を支持線の下やATRの倍数で決める方法がよく使われます。

利益確定(利確)

Take-profit

利益の出たポジションを閉じて利益を確定すること。

目標価格に指値の売りをあらかじめ置いたり、一部だけ決済して残りはトレンドに乗せたりする方法があります。含み益は決済するまで確定せず、再び損失に変わることもあります。利確地点と損切り地点の距離の比がリスクリワード比です。

リスクリワード比

Risk-reward ratio

一回で失い得る金額に対する、期待する利益の比率。

100で買い、損切り95(−5)、目標110(+10)ならリスクリワード比は1対2です。1対2なら勝率が約33%を超えれば、手数料を除いて計算上は損になりません。目標が非現実的に遠いと比率だけ良く見えて実際にはほとんど届かないので、勝率と合わせて見る必要があります。

ポジションサイズの決め方

Position sizing

一回の取引にいくら入れるかを損失の上限から逆算すること。

ポジションサイズ=(口座×許容損失率)÷損切り幅です。口座100万円で一回1%(1万円)までしか失わないと決め、損切り幅が5%なら、ポジションは20万円です。こうすれば損切りが何度か続いても口座が持ちこたえられます。

分散投資

Diversification

異なる動きをする複数の資産に分けて持ち、全体の変動を抑えること。

一銘柄が半値になっても全体に占める比率が10%なら、口座の損失は5%です。ただし同じ方向に動く資産(例:ビットコインと多くのアルトコイン)同士では、いくつ買っても分散効果は小さくなります。相関係数の低い資産を組み合わせてこそ効果が出ます。

相関係数

Correlation

二つの資産の騰落率がどれだけ一緒に動くかを−1〜+1で表した値。

+1なら完全に同じ方向、0なら無関係、−1なら正反対に動いたことを示します。過去の期間で計算した値なので、危機のときには普段低かった相関が急に高まることがよくあります。分散投資の効果を考えるとき最初に見る数字です。

ベータ

Beta

市場(指数)が1%動いたとき、その銘柄が平均して何%動いたか。

ベータ1.5の銘柄は指数が10%上がると平均15%上がり、下がるときもより大きく下がったことを示します。1より小さければ市場ほど揺れない銘柄です。過去の期間や基準とする指数によって値が変わります。

ボラティリティ

Volatility

価格がどれだけ大きく揺れるか。通常は騰落率の標準偏差で測る。

年率ボラティリティ60%の資産は、1年でおおよそ±60%の範囲で動くことが珍しくないという意味です(正規分布を仮定すると約68%の確率)。ビットコインのボラティリティは主要株価指数の数倍です。ボラティリティが大きいと同じ金額でも損益の幅が広がるため、ポジションを小さくする根拠になります。

MDD(最大ドローダウン)

Maximum drawdown, MDD

高値からその後の最安値まで最も大きく下がった割合。

資産が100→150→90と動けば、MDDは(150−90)÷150=40%です。リターンが同じでもMDDが大きい戦略は途中で耐えるのが難しくなります。バックテストの結果を見るとき、リターンより先に確認すべき数字とされます。

損失回復に必要な上昇率

Recovering from a loss

失った割合より、回復に必要な上昇率の方が大きい。

10%失えば約11.1%、30%なら約42.9%、50%なら100%、90%なら900%上がって元本です。必要な上昇率=1÷(1−損失率)−1で計算します。大きな損失を避けることが、大きな利益を出すことと同じくらい重要な理由です。

勝率

Win rate

全取引のうち利益で終わった取引の割合。

勝率が高くても、勝つときは少し稼ぎ負けるときに大きく失えば全体では損失です。逆に勝率40%でも、勝ちの平均利益が負けの平均損失の2倍なら利益が出ます。そのため勝率は必ず損益比(平均利益÷平均損失)と合わせて見ます。

期待値

Expected value, expectancy

一回取引したときに平均して得る(失う)金額。

期待値=勝率×平均利益−(1−勝率)×平均損失です。勝率40%、平均利益2万円、平均損失1万円なら 0.4×2万−0.6×1万=2,000円で、手数料前で1回あたり平均2,000円の利益です。標本が少ないと運が大きく混ざるので、取引回数が十分なときに意味を持ちます。

バックテスト

Backtest

売買ルールを過去データに当てはめ、その成績を計算してみること。

たとえば「ゴールデンクロスで買いデッドクロスで売る」を過去数年分のローソク足で回し、リターン・MDD・勝率を見ます。単に買って持ち続けた場合(保有リターン)と比べて初めて、ルールに意味があるか分かります。手数料・スリッページを入れ忘れたり、将来の情報をうっかり使ったりすると、結果が実際より良く出ます。

過剰最適化(カーブフィッティング)

Overfitting, curve fitting

過去データにだけぴったり合うようルールを調整し、実際には通用しなくなること。

RSIの基準を31、移動平均を17日のように、過去のリターンが最も高くなる数字に変え続けると、偶然まで覚えたルールになります。条件が多いほど、データ期間が短いほど危険が大きくなります。一部の期間で作ったルールを別の期間で試すのが基本的な点検方法です。

積立投資(ドルコスト平均法)

Dollar-cost averaging, DCA

価格に関係なく、決まった金額を決まった周期で分けて買う方法。

毎週1万円ずつ買えば、価格が安いときは多く、高いときは少なく買うことになり、平均単価が時間とともにならされます。買うタイミングに悩まなくてよい利点がありますが、着実に上がる相場では最初に一括で買った場合より利益が小さくなることがあります。資産が長期的に下がれば、積立でも損失は避けられません。

平均取得単価

Average cost

何回かに分けて買った資産の平均購入価格。総購入額÷総数量。

1万円で10株、8千円で10株買えば、平均単価は(10万+8万)÷20=9,000円です。現在値が平均単価より高ければ含み益、低ければ含み損です。手数料を含めて計算すると、実際の損益分岐点は少し高くなります。

ナンピン買い

Averaging down

買った価格より下がったときに買い増して平均単価を下げること。

平均単価が下がり少し戻るだけで元本に近づきますが、同じ資産に入れたお金が増えるため、さらに下がれば損失も大きくなります。最初から分けて買うと計画した分割買いと、損失を避けようと無計画に買い増すナンピンは区別して語られます。買い増す前に、変わる平均単価と全体に占める比率を計算してみるのがよいでしょう。

複利

Compounding

利益にさらに利益が付くこと。元本×(1+利回り)^期間。

100万円を年7%で10年運用すると、単利では170万円ですが複利では約196.7万円です。72を年利回り(%)で割ると、元本が2倍になるおおよその年数が出ます(7%なら約10年)。逆に損失や手数料も複利で積み重なります。

CAGR(年平均成長率)

CAGR (compound annual growth rate)

複数年の成果を、毎年同じ割合で増えたとみなしたときの年率リターン。

CAGR=(最終金額÷開始金額)^(1÷年数)−1です。5年で100万円が200万円になればCAGRは約14.9%で、単純に100%÷5=20%とは違います。途中の上下は消えてしまうので、MDDやボラティリティと合わせて見る必要があります。

実質リターン

Real return

物価上昇分を差し引いたリターン。実際に増えた購買力。

名目リターンが年5%、物価上昇率が3%なら実質リターンはおよそ2%です(正確には1.05÷1.03−1≈1.94%)。銀行の金利が物価上昇率より低ければ、お金の額は増えても買える量は減ります。税金や手数料を引くと実質リターンはさらに下がります。

シャープレシオ

Sharpe ratio

ボラティリティ1単位あたりどれだけ超過リターンを得たか。(リターン−無リスク金利)÷ボラティリティ。

年率リターン12%、無リスク金利3%、ボラティリティ18%なら、シャープレシオは(12−3)÷18=0.5です。リターンが同じなら、揺れが少なく得た方のシャープレシオが高くなります。過去の数値であり、暴落のようなまれで大きな損失をうまく反映できないという限界があります。

FOMO・FUD

FOMO / FUD

乗り遅れを恐れて焦る心理(FOMO)と、恐怖・不確実・疑念を広める空気(FUD)。

急騰する銘柄を見て計画なしに飛び乗るのが典型的なFOMOで、根拠の薄い悪材料で恐怖をあおる投稿はFUDと呼ばれます。どちらも事前に決めたルールの代わりに感情で売買させる点で危険です。トレード日誌にエントリーの理由を書いておけば、感情的な売買を後から確認しやすくなります。

ガチホ

HODL

価格が揺れても売らずに長く持ち続けること。

英語圏では2013年のビットコイン掲示板の投稿で「持つ」の綴りを間違えた言葉が広まり、日本語では「ガチでホールド」を縮めてガチホと言います。売買の回数が少なく手数料や感情的な売買を減らせる利点がありますが、資産が回復しなければ損失を最後まで抱えることになります。ビットコイン自体も過去に高値から70〜80%以上下落したことが何度もあると記録で確かめておく価値があります。

デモトレード

Paper trading

実際のお金を使わず、仮想の残高で売買を練習すること。

リアルタイムの相場で注文・損切り・ポジションサイズを前もって練習できます。お金がかかっていないので実際より大胆になりやすく、スリッページや心理的な圧力が抜けているという限界があります。デモの記録もトレード日誌のように残してこそ、練習した意味が生まれます。

トレード日誌

Trading journal

取引ごとにエントリー・決済の価格、理由、結果を記録しておくこと。

記録がたまると勝率・損益比・期待値を自分で計算でき、どんな状況で損失が繰り返されるかが見えてきます。結果だけでなく、入った理由とそのときの感情も書いておくと、後で判断の過程を振り返れます。株と暗号資産の両方を取引するなら、一か所にまとめた方が全体の成績を把握しやすくなります。

一般的な用語の説明であり、投資の勧誘や特定の売買の推奨ではありません。税金・制度は国や時期によって変わるため、最新の内容は関係機関の案内で確認してください。

このツールは何をするか

暗号資産・株式・チャート分析でよく出会う166の用語を、八つの分類(暗号資産の基本、取引所・注文、先物・デリバティブ、チャート・ローソク足、テクニカル指標、株式・企業価値、市場・マクロ、リスク・資金管理)にまとめ、やさしい言葉と例で解説しました。指標は標準の式(RSI 14、MACD 12・26・9、ボリンジャーバンド20・2など)のまま記し、用語ごとに実際のデータで確かめられるツールへつなげています。

どう計算するか

上の検索欄に入力すると一覧がすぐに絞り込まれます。用語名・原語・一行の定義から先に探し、見つからなければ本文まで探します。分類のチップを押すとその分類へ移動し、各カードの「リンク」ボタンはその用語を直接開くアドレスをコピーします。

使うときに知っておくこと

よくある質問

指標の式はどの基準に従っていますか?

広く使われている元の定義に従っています。RSIはワイルダーの14期間、MACDは12・26 EMAと9のシグナル、ボリンジャーバンドは20期間の移動平均と標準偏差2倍、ストキャスティクスは14・3、ATRは14期間です。このネットワークのチャートツールも同じ初期値を使います。

この説明どおりに売買すればよいですか?

いいえ。用語の意味と計算方法を説明するもので、売買シグナルや投資の勧誘ではありません。同じ指標でも銘柄・時間足・相場局面で結果が異なるので、過去の成績を示すツールで自分で確かめてください。

税金や制度も扱っていますか?

韓国の値幅制限(±30%)、受渡日(T+2)、サーキットブレーカーのような確かな制度だけを短く記しました。税率のように頻繁に変わる内容は、基準年とともに示す株式税金計算機や配当金計算機で確認する方が正確です。

ほかの言語でも読めますか?

韓国語・英語・日本語で読めます。用語のリンク(#term-…)はどの言語でも同じ用語につながります。

用語の一般的な説明であり、投資助言ではありません。

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